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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 赤聖ぐい呑み 柳下季器
¥22,000
SOLD OUT
《解説》利休がとくに好んだとされる茶碗として「利休七種茶碗」が伝えられる。そのなかの三碗は所在不明になっていて、その姿を知るには後世の写しによるしかない。長次郎黒の代名詞ともいえる「大黒」や利休百回記で多用される「木守」など、利休好みを象徴する名碗が選定されているいっぽうで、十五代樂吉左衛門氏は、造形面からみて長次郎とは違う茶碗が紛れているのではないかと疑問を呈す。近年、それを裏づける資料が表千家で発見された。利休の曾孫に当たる江岑宗左が残した文書に、七種のなかの「早船」は「駿河」という陶工が、「検校」は「有楽」がつくったと記されていたという。七種茶碗は別名「長次郎七種」とも呼ばれ、後世がつくりあげたイメージがいかに実体から離れているかを物語る。柳下さんが取り組んだ「聖」は、これとは別に選定された「利休外七種茶碗」のひとつ。この茶碗のことを知らなかった筆者は、作家から「外七種」のうちのひとつだと教えてもらった。胴に入った大胆なひび割れに目を奪われるが、これも、疑ってみれば、長次郎というよりも織部や瀬戸黒の造形に近いようにもみえる。ただ、そのオリジンがどうであれ、名碗だからこそ伝来していることだけは間違いない。「聖」の場合、胴部のニュウもさることながら、高台周りの様子が他の茶碗にはみられない様相で、ぜひ本歌を観てみたいものだと強く思う。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12758772393.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10100913419.html 作家HP http://www.hideki-yanashita.com/ 《作品情報》(寸法)w6.6㎝×h5.2㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日まで 《お届け》ご注文から5日以内に発送いたします。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 白ぐい呑み 柳下季器
¥22,000
SOLD OUT
《解説》長次郎茶碗には赤と黒しかない。白は二代常慶からといわれ、楽にとっては新しいこの釉薬で香炉をつくったことから、「香炉釉」という別名をもつ。併せて、常慶は、これを用いて井戸形の茶碗を焼いた。長次郎の茶碗はそのほとんどが半筒であるとともに総釉掛けであったのに対して、この茶碗は、土見せになっていて、二代目とされる常慶がいかに長次郎との差異を表現しようとしていたかを物語る。そして、その常慶から作陶の手助けを受けた光悦にいたって、楽の白は開花する。「不二山」や「冠雪」、「白狐」は、赤や黒では表現力し得ない叙情性を楽にもたらした。柳下さんは、その歴史を逆手にとって、白で長次郎をこしらえた。造形はまさに利休好みの形になっているが、色が白に変わるだけで、光悦の白の作品たちがそうであるように、いまにも何か物語が生まれそうな饒舌性を帯びる。長次郎の黒が多声によるざわめきだとすれば、こちらは、単声による歌にも喩えられようか。長次郎の手づくねを忠実になぞった造形に、淡い焦げが白に対するアクセントになっている。器胎には貫入がびっしり入っているので、使い込んだらきっとまた別の表情が生まれてくるだろう。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12758772393.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10100913419.html 作家HP http://www.hideki-yanashita.com/ 《作品情報》(寸法)w6.9㎝×h5.5㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 道陳お好み的本沼手黄瀬戸酒盃 松村遷
¥15,400
SOLD OUT
《解説》利休の師とされる北向道陳が好んだという茶碗。高台内には利休の花押がついているという。黄瀬戸の原型ともいわれるこの茶碗に、ついに松村さんが取り組んで下さった。これまで織部のときも、光悦のときも、御自身の自由なイメージを作品化されてきたので、今度もまた利休のイメージと黄瀬戸を融合させるものと思っていたら、数ヶ月前に個展でお会いしたときに、この「道陳好み」にチャレンジしていると話して下さって、感激。これまで世の黄瀬戸作家にこれをずっと期待してきたが、知名度の問題か、見た目が地味なせいか、どなたも興味を示さない。だが、この茶碗は、道陳の生きた時代(1504~62)にすでにこの手の焼き物がつくられていたという考古資料としても、後の長次郎の造形にも通じる半筒という形式論的観点からも、きわめて重要な位置を占めているのだ!。さらに、本歌の釉調は、黄瀬戸として伝世する油揚手ともぐい呑み手とも違って、くすんだ表層の下から鮮やかな黄が漏れでてくるかのような沈静した表情をみせる。よくぞ、この難題に真正面から挑戦して下さった。作家には感謝しきりである。ところが、これ、相当難産だったようで、満足のいく作品がとれずに何度も窯焚きを繰り返したそうだ。結局、作品が手元に届いたのは、連載が始まってから。だが、苦労された甲斐あって、出来映えは観てのとおり。油揚手ともぐい呑み手とも異なる「道陳好み」の特別な黄に仕上がっている。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12762177470.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10113945879.html 《作品情報》(寸法)w7.2㎝×h5.2㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》御注文後に共箱を発注いたしますので、発送は三週間以降になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 朝鮮唐津ぐい呑み 岡本作礼
¥17,600
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《解説》(「斑唐津」解説からの続き)当時波多氏の当主であった親(ちかし)は秀吉の九州征伐からその直臣になるが、それは、すでに大陸出兵の野望を抱いていた秀吉が、親の治める名護屋の地が本陣を構えるにうってつけであることを見越していたからだともいう。ところが、もともと九州攻めに加わらなかったことから秀吉の不興を買っていたうえに、名護屋を本陣とすることに反対意見を述べたり、いざ朝鮮に出兵しても軍令違反を犯すなどしたために、ついに秀吉の逆鱗に触れ、戦地から呼び戻されたものの帰陣さえ許されず、領地没収を告げられて常陸の国の筑波に配流の身となった。代わってこの地を拝領したのが寺沢広高で、かれは、織部の門下の数寄大名で、波多氏の没落によって離散した岸岳の職人たちを再び呼び寄せて窯を復興し、そこに新たに半島から連れて帰った陶工たちを加えて唐津の窯業振興に取り組んだ。中里氏は、波多氏の時代に焼かれた唐津を「岸岳古唐津」、寺沢氏によるそれを「それ以降」と分類して考察しているが、今に伝わる織部好みの唐津は「それ以降」の時期に生産された唐津であることが推測される。(岡本作礼「斑唐津皮鯨」解説に続く) ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12759987006.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663571.html 《作品情報》(寸法)w5.3㎝×h5.9㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》御注文日から5日以内に発送いたします。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 伊羅保皮鯨ぐい呑み; 杉本 玄覚 貞光
¥66,000
SOLD OUT
《解説》伊羅保は、日本の茶人が韓半島に注文して焼かせた御本茶碗のひとつとされる。草庵の茶室にふさわしい侘び枯れた風情を茶人たちは伊羅保という形式でプロデュースした。刷毛目や粉引、井戸、斗々屋など、半島で発生した本手高麗茶碗たちが茶席で当たり前に使用されるようになった後に注文されているので、いっけんその系譜にあるとみえて、実は茶人たちの作為に満ちている。ろくろを引いているうちに切れてしまった口縁に別の土を足した跡であるべべら、釘で掘ったように渦巻き状をなす釘掘り高台、釉薬を掛け分けてひとつの器胎にふたつの釉調を表した掛け分けなど、すべて茶人たちの作為である。器の形も、どちらかというと大きく崩したり、ダイナミックにうねるようなものが多い。本手高麗の流行を受けて、茶人たちが自分たち独自の表現を求めた結果として生まれた茶碗である。その発生期も新しく、主に17世紀に入ってからになるから、利休は、もちろん、伊羅保を知らない。杉本師のこの作品は伊羅保というこの形式のもつ人為性を逆手にとっているようにみえる。つまり、伊羅保茶碗から、茶人たちが見どころとして加えた人為的要素を敢えて取り除くことで、あたかも本手の高麗茶碗たちに備わっているかのような枯淡で素朴な表現を結実させた。利休の引き算的な発想からしかるべくして生まれた伊羅保といっていい。その意味で、師の営みはつねに利休のスタイルに通じている。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12759628421.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10109146329.html 作家HP http://sugimoto-sadamitu.jp/ 《作品情報》(寸法)w7.8㎝×h4.0㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》共箱を手配するのに約三週間頂きますので、発送はその後になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 利休斗々屋盃 内村慎太郎
¥22,000
SOLD OUT
《解説》諸説あるが、利休が堺の「魚屋(ととや)」でみつけたことから「利休斗々屋」という銘がついたとも伝えられる。本歌の茶碗は織部、遠州へと引き継がれ、箱書の「ととや」は遠州の筆による。「斗々屋」と名がついているものの、高麗茶碗の所謂斗々屋とは趣を異にする。本手斗々屋は素直な碗形で平斗々屋は平鉢形、いずれも利休斗々屋のように端反りの口縁も、ゆるやかにふくらむ胴もない。また斗々屋を最も特徴づけるムラムラとした釉調にも欠けるので、この茶碗はそれとは別の茶碗とみるのが適切だろう。他に似たような茶碗がないことからも、見立てであるとはいえ、利休独自の造形といっていい。本文でも触れた「ハタノソリタル茶碗」は長次郎ではなくこの茶碗だった可能性さえあると筆者は思っている。それほどにこの茶碗は利休的だ。内村さんは早くからその独特な造形に着目されて、自作のレパートリーにされていた。この手の作品に取り組む作家は他になく、今回利休をテーマにすると決めたときから、内村さんの作品は必須と思っていた。幸い、作家には快く御承諾頂いて、すでに何度も試行錯誤を繰り返してきた堂々たる利休斗々屋を出品して頂いた。全体の造形はいうまでもなく、赤っぽい土の表情、釉薬の流れ具合、見込みの目跡にいたるまで、神経の行き届いた造形を実現している。この方の作品を拝見する度に、観ることとつくることは同一であることを痛感する。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12759071937.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663228.html 作家HP http://raizanbo.com/ 《作品情報》(寸法)w9.5cm×d9.0cm×h4.5㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 黒漫画ぐい呑み 深見文紀
¥19,800
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《解説》いつも本格美濃作品を出品して頂く深見さんだが、今回は漫画がらみの作品となった。ただ、手元に届いた作品には「正面」というシールが貼られていて、敢えて赤い刀傷が背面にくるような設定がしてあった。作品の個性を前面に出そうとすれば、この赤い刀傷はとても魅力的。かねてよりこの方の造形力に魅了されている筆者に配慮して下さってのことかとも思ったが、単純に黒の造形を観てほしいとの作家の思いからだろう。いつも主張しているように、深見ワールドは漫画だけではないのだ。それを受けて本文ではこちらも敢えて漫画も刀傷もみえない正面からの写真を用いた。長次郎と瀬戸黒が融合した堂々たる黒である。漫画は「花の慶次」に登場する「バキバキムキムキ」の利休をモデルにしたとこのこと。前に松村遷さんも同じ漫画を話題にされていたので、よほど人気なのだろう。深見さんによればそこに登場する利休は、この絵のとおり「戦闘もいける人」なのだそう。作家からそれを伺ったとき、ドキッとした。本文では、一般に流布する茶聖利休ではなく、むしろ闘う利休を強調していたからだ。まさかテレパシーでも使って事前に本文を読んでいたのか。あるいは、漫画の作者が「利休遺偈」を同じように解釈されているのか。ぜひ一度読んでみたいものだ。刀をもった利休と背面の刀傷の取り合わせがシャレている。まるでこのバキバキの利休が見込みから飛び出してきて一太刀くらわせたかのような躍動感を演出している。筆者のようなヒネた者ならともかく、純粋な深見ファンにはこちらを正面としたほうがいいような気もする。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12761572021.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091662107.html 《作品情報》(寸法)w6.8㎝×h5.7㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品。 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》御注文から箱を発注いたしますので、お届けまでに三週間程頂戴いたします。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 志野ぐい呑み 山田洋樹
¥18,700
SOLD OUT
《解説》近年の発掘調査によれば、志野が主に巷に流通したのは慶長年間(1596~1915年)とされる。ちょうど利休が活躍した頃の茶会記に「志野茶碗」と呼ばれる茶碗が出てくるので、志野はもっと以前からあったと長らく考えられてきたが、これは、足利将軍家の同朋衆で香道を興したことで知られる志野宗信由来の茶碗で、所謂志野焼とは別物。利休が亡くなったのは天正19年(1591)だから、かれの生きた時代にはまだ志野は焼かれていなかったことになる。利休晩年の茶席で秀吉が黒茶碗を嫌うために差し替えたという「瀬戸茶碗」を志野だとする専門家が多かったが、土中から発掘された志野の陶片たちはそれを否定した。ただ、秀吉は慶長3年まで生きたから、辛うじて接点はあったかもしれない。いずれにしろ、志野は、利休や秀吉の時代のやきものというよりも、その後の時代、つまり織部が活躍した時代のそれというべきだ。造形的にも破格のものが多く、志野と織部との深い関わりを示唆している。山田さんも、もちろん、そのことを知っている。知っていて敢えて志野で利休を表現する。今回出品して頂いた二点の作品は、山田さんが志野作家として利休にアプローチしたひとつの結果である。(「志野輪花ぐい吞み」解説に続く) ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12760344980.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663496.html 《作品情報》(寸法)w6.3㎝×h5.9㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》ご注文から5日以内に発送いたします。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」 ; 黒旅枕盃 鈴木都
¥16,500
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《解説》今回の企画展のために都さんから送られてきた梱包を開いたら、不自然に立て長の包みがあったので、なんだこりゃ?。包装材を解いてみてビックリ!。あれれ、これは「拾い子」ではないか。利休愛用の黄瀬戸花入で、胴の中程が鼓の持ち手のように締まっているので、一般に立鼓花入と呼ばれる。同種の黄瀬戸立鼓花入で「旅枕」という伝世品もあって、これも利休愛用とされる。黄瀬戸は格の高い中国の様式に倣った古作が多く、花入では、青磁や胡銅のそれを模したケースがほとんど。金色に輝くその特殊な色彩が、破格の造形を許さなかったとみえる。ただ、「拾い子」も「旅枕」も、青磁や胡銅のようにキリっとしているかというとそうではなく、釉調は柔らかく形も少し崩れている。そこに侘びた風情を感じたのか、利休はこれを好んで使用した。これをぐい呑みに応用しようとの作家の発想に脱帽。まさかここまでやろうとは!。しかも、都さんなら黄瀬戸でも十分面白いものができるはずなのに、敢えて黒を選んだ。そこはそれ、やはり利休をイメージしてのことだろう。ただし、この黒、長次郎のではないし、瀬戸黒のでもない。作家に尋ねると「どちらかというと織部黒の黒」なのだそう。う~ん、パッと見、黒唐津みたいだけどなあ。いずれにしろ、この黒と立鼓とぐい呑み、ふだん出会うはずのないもの同士が新しい造形を生んでいる。 《参考》 ・「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12752865791.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091662288.html ・作家HP http://suzukishu.com/ 《作品情報》(寸法)w5.6㎝×h9.2㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》共箱の手配に約3週間頂きますので、発送はその後になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 三河唐津ぐい呑み 鈴木都
¥16,500
SOLD OUT
《解説》「三河唐津」というその名のとおり、唐津といっても、作家の工房の近くの豊田市で採取した土を使っているという。美濃には古くから美濃の土で唐津風の作品をつくってこれを「美濃唐津」と呼んだところから、作家はこれに一捻り入れた。豊田を「三河」と認識して下さっているところが、豊田出身の筆者としては嬉しい。一般に、豊田というと、あゝ、名古屋のことね、と返されることが常なので。この「三河」土、石ハゼが多くてざんぐりしているようで、高台の土見せをみると逆にねっとりしていて、かなり個性的な表情をしている。敢えて「三河」というだけのことはある。白っぽい土のなかに小さな石の粒が無数に埋まっていて、これが石ハゼやひび割れや斑模様となって多彩な表情の元となっている。高台の鮮やかな火色もいい。作家はこの作品を利休愛用と伝わる奥高麗茶碗「子のこ餅」を下敷きにつくったが、この土から唐津をつくると、本場のそれとはまた別の魅力を湛える。志野の作家として名をなしてきた都さんだが、最近は他の様式、とくに唐津に積極的に取り組んでいる。この「三河」土との出会いによって、唐津様式の新たな展開がみえてきたのではないか。この作品は十分そのメルクマールとなっている。 《参考》 ・「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12752865791.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091662288.html ・作家HP http://suzukishu.com/ 《作品情報》(寸法)w5.9㎝×h5.2㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》共箱の手配に約3週間頂きますので、発送はその後になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 斗々屋盃 鈴木都
¥16,500
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《解説》都さんには企画展を始めたときからずっとお付き合い頂いているが、今回の利休というテーマについて、こちらからお願いしたときには具体的なイメージが沸かなかったようで、逆に筆者が利休に対してどんなイメージをもっているか尋ねられた。いざ、そんな問われ方をすると、確かに織部や光悦に比べて利休には誰もがすぐに浮かんでくるイメージはない。ただ、「聖利休」のプロットから利休好みの茶碗を分類すると、先人や周りのマネをする凡庸な利休が、珠光青磁や天目、井戸を用いたのに対して、覚醒した利休は、利休斗々屋、長次郎、道陳好みの黄瀬戸、子のこ餅などの新しい様式をつくった、みたいなことを書いてメールした。その半年後に届いた作品は三作。どれかひとつに絞り切れなかったという。確かにいずれも捨てがたい。ひとつだけいえるのは、どれも覚醒した利休の好む様式に基づいているということ。作家が利休のどこに惹かれているかがよくわかる選択である。利休斗々屋はその最たるもののひとつで、いっけん地味な様式にみえるが、似たような茶碗は他にない。これぞ実は利休のイメージの中心を射抜いている。都さんはこれを工房近くの豊田の土で拵えた。この土味がまたいい。この土肌、焼き上がったそのままなので、相当面白い育ち方をするだろう。成長した先の姿をぜひ観てみたい作品だ。 《参考》 ・「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12752865791.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091662288.html ・作家HP http://suzukishu.com/ 《作品情報》(寸法)w8.4㎝×h3.7㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》共箱の手配に約3週間頂きますので、発送はその後になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 建盞ぐい呑み 西林学
¥16,500
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《解説》建盞とは、中国の建窯で焼かれた盞(さん=小さな杯)のことで、利休の時代には今でいう曜変、油滴、禾目などの天目類を指した。では、この時代の天目はといえば、これら貴重な建盞の部類に入らない焼き損ないの盞をまとめてそう呼んだ。つまり、その他おおぜいの盞ということで、「珠光天目」で名高い灰被などはこれに当たる。利休が生きた時代は建盞絶対主義から、むしろ天目を上とする価値転換がなされたとされる。利休も若い頃からずっと建盞を使ってきたが、茶会記では天正元年(1573)を最期に、以降は同じ盞でも天目しか使用していない。ちょうどこの頃、茶の湯の世界で侘び茶革命が起きていたことを推測させる。写真の作品は今風にいえば油滴天目に当たる。西林さんのお宅で珠光青磁を拝見していたら、その傍らにこの作品が置いてあって、妙に目を引いた。以前文様が裏返しのネガ天目に取り組んでいたのは知っていたが、正当な天目も焼いていたとはついぞ知らなかった。手に取ってみると、なかなかに完成度が高い。せっかくなのでこれも紹介させてくださいと持ち帰ってきた。作家の工房を訪ねると、こうした思いがけない発掘ができるから面白い。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12758121539.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663554.html 《作品情報》(寸法)本体w8.2㎝×h4.4㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日まで 《お届け》箱の制作に三週間ほど頂きますので、発送はそれ以降になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 珠光青磁輪花盃 西林学
¥9,900
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《解説》西林さんに珠光青磁の制作の依頼に伺った際に、同じ釉調で何か違った形のものができないかと相談してみた。たとえば口縁だけでも輪花にするとか何とか勝手なことをいって、作家を困惑させた。う~ん、という反応だったので、やっぱり思いつきはダメだなとさして執着することなくその場は過ぎたが、その後、焼き上がったたくさんの珠光青磁のなかに、写真と同じ形の作品が数点混ざっているのをみつけた。おっ、これは、と手に取ってみていると、「珠光青磁をそのまま輪花にするのは生地の段階でダメだと思ったので、自分なりにこの釉薬と輪花に合う形を考えてみました。」と西林さん。それこそ真正の青磁や天目にみられる形式をベースにしている。薄づくりで繊細な造形が作品をキリっとさせ、珠光青磁の釉調は本歌とはまったく別の様相をみせている。「これならふつうの青磁がよかったかな。」という作家に対して、いやいやそれだったらふつうで面白くない、これも今回ぜひ紹介させてください、と持ち帰ってきたのが写真の作品。シャープなフォルムに、高台脇と見込みの釉溜り、器胎の全面を覆う貫入など、見どころの尽きない作品である。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12758121539.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663554.html 《作品情報》(寸法)本体w9.0㎝×h3.1㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日まで 《お届け》箱の制作に三週間ほど頂きますので、発送はそれ以降になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」; 珠光青磁ぐい呑み 西林学
¥9,900
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《解説》今回の企画は珠光青磁をなくして成立しない。本文で幾度も言及しているように、「珠光茶碗」と利休とは切っても切り離せない関係にあるからだ。西林さんはこの希少な茶碗づくりに取り組む数少ない作家のひとりで、出品の依頼のため久しぶりに吉野の工房を訪ねたが、今はもう焼いてないという。それは困る、あきません、と我儘な筆者は無理をいって、今回のためにわざわざ焼いて頂いた。作家によれば、うまく焼成するためには、いくつかつくって窯に混ぜればいいというものではなく、ひと窯全部珠光青磁で埋める必要があるとのこと。大事を引き受けて下さって感謝しきり。この場をお借りして御礼申し上げます。作家は、その無理な要望に応えて、ガス窯に加えて薪窯にも挑戦してくださった。それが写真の作品。くすんで黄ばんだ青の渋い魅力はもちろん、薪特有の火色が高台脇に出て美しいコントラストをなしている。さらに、この作品の一番の見どころは、見込みの釉だまり。灰が舞い落ちて瑠璃色の美しい結晶をこしらえている。本歌は徹底して地味でしばしば「わかりにくい」とされるが、西林さんはそこに別の魅力を加えて本作をとてもわかりやすくしている。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12758121539.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663554.html 《作品情報》(寸法)本体w7.7㎝×h3.4㎝、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日まで 《お届け》箱の制作に三週間ほど頂きますので、発送はそれ以降になります。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」 ; 狂言袴酒盃 古松淳志
¥17,600
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《解説》晩年の利休が愛用した「挽木鞘」をモデルにした作品。高麗青磁の筒茶碗で、胴中程の文様が狂言役者の袴の文様に似ることから一般に狂言袴茶碗と呼ばれる。「挽木鞘」が茶会記に現れるのは利休自刃のわずか三か月前だが、それから死ぬまでの間にかなりの頻度で使用されているところからすると、相当の思い入れがあったと推測できる。堺に蟄居を命じられてからこの茶碗を細川忠興に送ったエピソードはよく知られている。腰の張った筒形は利休がとくに好んだ造形で、長次郎茶碗には当たり前にみられるし、高麗物では他に「三島桶」が好みの茶碗として伝わっている。古松さんは、これを立ちぐい様式にアレンジして、本歌以上に美しく仕上げた。キラキラの青磁でもない、かといって粉青まで濁らない、深く沈静した青は観る者の心にじわりと染み入る。口縁や高台周辺にほのかにさす火色もアクセントになっていていい。利休の魅力を表現するについて、古松さんの作品は欠かせないと身勝手なお願いをしたところ、今回快く御協力頂いた。利休の愛した茶碗の魅力を今によみがえらせてくれているのはもちろん、それだけにとどまらない高麗青磁の稀少な美しさを、この作品は訴えている。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12754594312.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10106447695.html 《作品情報》(寸法)6.0w㎝×h5.9㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》御注文から5日以内に発送いたします。
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千利休生誕500年特別企画「利休賛」 ; 黒狐手黄瀬戸ぐい呑み 西岡悠
¥19,800
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《解説》西岡さんにとって利休のイメージは「黒」なのだそう。やはり長次郎の黒茶碗のインパクトがそうとう強いとみえる。美濃には瀬戸黒があるのでこれで長次郎を表現する手もあるがそれでは面白くない。ならば得意の黄瀬戸で黒を表現できないか。そう考えて生まれたのがこの作品。最近西岡さんは釉の掛け分けを多用して新境地を開いているが、本作は分けずにごっちゃにしている。黄瀬戸は油揚手に焼くだけでもかなり難しいのに、そこに黒をのせて仕上げるとは、いったいどんな焼き方をしているのか。作家に尋ねても、当然、企業秘密だから教えてもらえない。少なくとも、これまでもってくるには尋常でない困難を伴ったことだろう。釉もさることながら、かたちが繊細で、長次郎の形式と作家の美意識がうまく融合している。「黒狐手」という名称は、きつねうどんの油揚げと黄瀬戸の油揚手をかけて、そこに黒をかぶせたそうだ。冬枯れの野を黒狐が駆け抜ける光景を彷彿とさせる。作家によれば、黒狐は古くから平和の象徴とされているそう。怪しげな空気が広がる世界情勢に平和への願いを込めた。 ※参考 「ぐい呑み考」 https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12754239693.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10101711610.html 《作品情報》(寸法)6.0w㎝×h4.6㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年11月30日迄 《お届け》御注文から5日以内に発送いたします。
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柳下季器特集① 今焼黒ぐい呑み
¥24,200
SOLD OUT
《解説》柳下さんが「黒」をリニューアルして、師匠の杉本(貞光)師にみせにいったら、これまでになく褒められたという話は、インタビュー本文に載せた。ちょうどそれがインタビューをした日の前日のことだったそうだが。これにはまた後日談がある。杉本師は、この「今焼黒」がよほど気に入られたようで、その後、柳下さんのところへ何回か観にこられたそうだ。「もしかしたら長次郎よりいいかもしれない。」とまでおっしゃられたようで、この「黒」に惹かれた度合がよくわかる。その言葉には、柳下さんが自分の作陶の目的を、長次郎を単に真似るのではなく、その本質をとらえることだと訴えるのとシンクロナイズしている。長次郎茶碗の向こうにある長次郎的な本質を、桃山陶の向こうにある桃山的なものを追求する。それが、師である杉本師とともに、柳下さんが実践する作陶にほかならない。写真は長次郎黒のざわざわ感がわかるように少し明るめの光にあてて撮っている。茶室のような薄暗い空間におけば、対照的に幽玄な姿をみせる。表現域の広い作品である。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12745687908.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10100913419.html 作家HP http://www.hideki-yanashita.com/ 《作品情報》(寸法)w6.5㎝×h5.3㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年6月26日まで 《お届け》箱の制作に三週間ほど頂きますので、発送はその後になります。
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柳下季器特集② 片身替ぐい呑み
¥24,200
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《解説》最近発表しはじめたこの「片身替」シリーズは、これまでの作家の作品とは少し違ってみえる。カラフルでモダンな感じがするといったほうがいいだろうか。ただ、これは、よくあるように目新しい異なる発色をする釉薬を掛け分けたのではない。その独特の効果は、もともとある赤楽(場合によっては黒楽)と青磁という異なる技法の応用から成立している。また、その造形についても、多くは光悦であったり、志野であったり、既存の形式を借用している。しかも、片身替という手法でさえ伊羅保茶碗から続く伝統的な表現である。さらにいえば、青磁釉が水しぶきのようになっているのもアクションペインティングの技法を想わせる。かように、従来の技法や形式だけでこれほど新しいスタイルを生むことができるというのは、もともとからしてずっとそれらが新しいかったからで、かついまだに新しさを失っていないからだ。裏を返せば、古いものに対峙することがすなわち古いやり方であるという固定観念がいかに脆弱であるかを露呈している。長次郎の本質を追求するのも作家のスタイルだが、この「片身替」という技法は、作家が見出したもうひとつの新しいスタイルだといえる。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12745687908.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10100913419.html 作家HP http://www.hideki-yanashita.com/ 《作品情報》(寸法)w6.9㎝×d5.9×h4.8㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年6月26日まで 《お届け》箱の制作に三週間ほど頂きますので、発送はその後になります。
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瀬戸黒ぐい呑み 深見文紀
¥13,200
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《解説》これぞ瀬戸黒という作品である。筆者は勝手に「たらい型」と呼んでいるが、このタイプは「小原女」をはじめとして、「常盤」、「武蔵坊」など銘のついている以外にも、無名の名作が目白押しである。腰を水平に張らせて、胴を少し鋭角に立ち上げて、さらにその丈を短く抑えるなんて、いったいどんな意図からこんな茶碗が生まれたのか。単にお茶が飲みやすいようにという実用的な発想からはけっして生まれない造形である。先行する天目とも、井戸とも、同年代に近い楽とも異質な何物かが、この形式にはある。所謂織部焼のデフォルメをもって形式としての「へうげもの」と呼ばれるが、その始まりは実に瀬戸黒にある。深見さんはそれを理解してこれに挑んだ。並みいる本歌たちはゴツゴツしていかにも無骨な感じだが、作家の手は、形式に則りながらも、かなり繊細である。「弁慶」という伝世品があって、単に個作の銘というだけでなく、瀬戸黒全体のイメージをいい当てているようにみえるが、この作品は、か細くみえながも実は弁慶をも打ち負かした義経のしなやかな強さを想わせる。単なる写しではなく、そこに作家の持ち味を垣間見ることができる。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12736253895.html https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12678111843.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091662107.html https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12452039652.html 《作品情報》(寸法)w7.5㎝×h4.8㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品。 《販売期限》2022年5月13日迄 《お届け》御注文から箱を発注いたしますので、お届けまでに三週間程頂戴いたします。
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瀬戸黒ぐい呑み 深見文紀
¥13,200
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《解説》瀬戸黒については、独断的な思い込みが強い分、もともと挟隘な射程がさらに狭くなる。ブログでも書いたが、まずその形式を踏んでいないものはダメ。そして、最近大勢になっている釉薬が縮れ状になっているものも「何だこりゃ?」と首を傾げたくなる。井戸の梅花皮(かいらぎ)を出すのがさして難しくないように、瀬戸黒の表面をゴツゴツさせるのに技術的な優位性があるとも思えない。それをこれみよがしに作品化しているのをみると、しかもそんな作品が多いだけに、ほとほとうんざりする。それが瀬戸黒の可能性を矮小化する現在の傾向であるのは実に嘆かわしい。深見さんのこの作品は、ブログでも書いたように形式という芯棒がしっかり通っているし、何よりその漆黒の釉肌がすこぶるいい。基本、素直で穏やかな黒が広がるなか、おぼろげにそれが収縮して変化が見え隠れする。そこには、これみよがしのわざとらしさは微塵もない。作家は瀬戸黒のゴツゴツとした形式を理解している。だが、それをナイーブにゴツゴツとではなく、いたって繊細に表現している。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12736253895.html https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12678111843.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091662107.html https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12452039652.html 《作品情報》(寸法)w7.0㎝×h5.0㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品。 《販売期限》2022年5月13日迄 《お届け》御注文から箱を発注いたしますので、お届けまでに三週間程頂戴いたします。
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企画展「光悦様~The Koetsu styles」; 志野光悦 十王 ぐい呑み 山田洋樹
¥16,500
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《解説》「乙御前」に代表される柿のような丸っこい造形の作品群を、本文では第三のタイプとしてまとめて考察した。それは、全体が曲線でまとめられて、高台も本体にめり込んでいて、その曲線内に収まるつくりをしている。ところが、丸い、丸いといいながら、「乙御前」は口縁の一部にS字の端反りがあって厳密にはまん丸ではない。「紙屋」も自然な曲線ではなく、全体にでこぼこしたいびつな造形をしている。そんな第三タイプのなかで最も素直な丸さを表現しているのが「十王」である。全体が丸々としていて、掌にごく自然に収まる。これを「リンゴみたいで何ともかわいらしい。」と山田さんはいう。この企画をお願いする前から、その造形には挑戦したいと思っていたそうだ。作家は得意の志野でこれに向かう。楽の赤と志野の火色に親和性があるのは想像できるが、これほどの釉調をみせられると、もはや「十王」のイメージから離れて、まったく別の作品のようにみえてくる。柔らかい形式に変幻自在な釉と土と炎の競演。もし光悦が志野を焼いていたなら、こんな作品が生まれていただろうか。そんな想像をさせるほど、山田さんのこの作品は「十王」の形式を生かしている。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12701622032.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663496.html 《作品情報》(寸法)w6.6㎝×h5.0㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年2月21日迄 《お届け》箱の制作期間に二週間ほど頂きますので、発送はその後になります。
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企画展「光悦様~The Koetsu styles」; 志野光悦 不二山 ぐい呑み 山田洋樹
¥16,500
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《解説》山田さんは、この企画展への出品をお願いする前から、光悦の「不二山」を意識した作品を手掛けていた。本歌の独特な形と白楽の質感が志野と強い親和性で結ばれていることを敏感に察知してのことだろう。昨年の京都での個展でそれを拝見したとき、その目のつけどころに感心した。それは、確かに、「不二山」にはちがいないが、本歌を想わせないほどに志野に同化している。極端にいうなら、桃山の志野茶碗にいかにもありそうなほど、その形式が馴染んでいる。本作を観れば、それは容易にわかろうというものだ。長石釉と鉄と火色が本歌にはない分厚いグラデーションを構成する。しかも、それが四方から眺めるとそれぞれに異なった顔をみせ、形式のバラエティを楽しむことができる。ところが、高台とその周りはいかにも本歌に忠実で、裏返してはじめてそれが光悦由来であることに改めて気づかされる。山田さんのこの作品は、富士山の、近くにあるようでいてときに遠くにもみえる不思議な様相を的確に捉えている。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12701622032.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663496.html 《作品情報》(寸法)w7.1㎝×h5.2㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年2月21日迄 《お届け》箱の制作期間に二週間ほど頂きますので、発送はその後になります。
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企画展「光悦様~The Koetsu styles」; 志野光悦 加賀 ぐい呑み 山田洋樹
¥16,500
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《解説》山田さんの志野は無地である。志野といえば、絵唐津と並んで、器胎に描かれた絵や文様を特徴のひとつとしている。「卯花墻」も「橋姫」もともに垣根や橋の絵があって、それが長石釉の向こうから仄かに現れるのが風情を感じさせて魅力を増している。だから、志野の名品といえば絵物が多く、無地志野もないわけではないが、けっして数は多くない。ところが、山田さんは無地にこだわる。それは、土と釉と炎だけで織りなす釉景色に執着があるためである。鬼板ではなく、土と釉と炎で絵を描くのだ。その意味では、光悦の「加賀」はそそられる対象であるにちがいない。この作品で、光悦は、器胎をキャンバスさながら絵具を塗りたくるようにして、白泥や黄土、釉で絵を描いた。それはまるで現代アートの抽象画のようだ。山田さんはこれに志野で挑戦した。そして、光悦とはまったくタッチの異なる新しい志野の絵を描いた。これもまたひとつのアートではないか。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12701622032.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663496.html 《作品情報》(寸法)w6.4㎝×h4.3㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年2月21日迄 《お届け》箱の制作期間に二週間ほど頂きますので、発送はその後になります。
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企画展「光悦様~The Koetsu styles」; 志野光悦 乙御前 ぐい呑み 山田洋樹
¥16,500
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《解説》山田さんは、この企画展のために、いくつかの候補作を事前に焼いて写真を送って下さった。そのなかから選ばせて頂いたのが今回紹介する四点で、そのなかに「乙御前」も含まれていた。だが、ここで紹介しているのは最初に選んだ作品とは違う。というのも、これとこれをお願いしますとメールをした後で、作家から「赤味の強い「乙御前」もあります。」と追伸があって、本作の写真が送られてきた。最初のほうは長石釉が強くて、いかにも志野らしい正攻法な作品だったが、こちらは、みてのとおり赤が基調になって、白釉が図の役割をしている。どちらも秀作で捨てがたかったが、結局、赤いほうを選んだ。本文にも書いたように、やはり光悦といえば独特の明るさが特徴で、山田さんのこの「乙御前」はそれにふさわしいと判断したからである。作家もまたそれに気がついてわざわざ追伸で送ってくれたにちがいない。光悦の明るさをしっかりととらえた志野である。とはいえ、この形式の発展形として、あの白いほうもまた良かったが。欲をいえばきりがないので、また何かの機会にどこかで発表されると思う。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12701622032.html https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091663496.html 《作品情報》(寸法)w7.2㎝×h4.1㎝(いずれも最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2022年2月21日迄 《お届け》箱の制作期間に二週間ほど頂きますので、発送はその後になります。
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