-
深見文紀特集① 黄瀬戸ぐい呑み
¥12,960
SOLD OUT
《解説》深見さんは崩すよりも「シュッとした」造形のほうが好きだという。「シュッとした」というのは、おそらく、きちんとした折り目正しい造形をいうのだろう。これを、シンメトリックなとか、格のあるとか、茶道の用語でいえば「真」の形ということもできる。桃山陶は総じて崩すほうの造形を特徴とする。織部はその最たるものだが、志野でも瀬戸黒でも、実は織部に先立って、アシンメトリーや破格のはじめの一歩を示したやきものだった。そんななかで黄瀬戸だけは例外で、伝世する茶碗には格を志向する造形が多い。だから、深見さんがこの黄色い器に執着するのはごく自然なことである。この方の造形への衝動を鎮めるのに、格調に満ちた黄瀬戸の形式はうってつけなのだ。この作品は、伝統的なその形式にのっとりながら、胴のラインを口縁にむけて少し絞っている。このラインがとりわけ美しい。少し上目に引かれた胴紐もその曲線のたおやかさを引き立てている。よほど黄瀬戸に思い入れあるんですね、と水を向けると、作家はいう、「釉が溶けるか溶けないかの絶妙なものが焼けたときは、ずっと眺めていたりします」。はたして作家はこの作品をどれほど眺めていたのだろうか。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12046351592.html?frm=theme 「作家インタビュー」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12452039652.html 《作品情報》(寸法)w6.3-6.7㎝×h4.6㎝、共箱付、新品 《販売期限》2019年5月13日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
MORE -
深見文紀特集② 鼠志野ぐい呑み
¥11,880
SOLD OUT
《解説》志野筍絵の名碗「玉川」を写した作品。荒川豊蔵は、美濃の山中で志野の陶片を発見する数日前に、名古屋で北大路魯山人とともにこの「玉川」を観ている。その輪トチン跡をみて、これと同じものを故郷の美濃でみたことがあると思い立って、それを確かめに帰った。すると、故郷の窯跡からその「玉川」と同じ筍絵の陶片がみつかった。志野の産地は瀬戸とされていたそれまでの定説を覆した歴史的発見とされるが、そんな伝説の傍らで本歌の「玉川」はときを越えて美しい。豊蔵が「随縁」をつくったように、深見さんもまたこれに惚れぬいて写さずにはいられなかった。「胴のたわんだ線がたまらない」という作家は、目立たない本歌の勘所をきちんと押さえている。さらに、白い志野を反転し鼠志野に仕上げた。鼠の複雑な発色もいいが、これが思わぬ効果をもたらした。鼠の模様は掻き落とすのが常だが、本作では「胴紐をまたぐので撥水剤で抜いた」という。だから模様の輪郭が滲んで、まるでスプレー缶の落書きのようになっている。とてもポップな筍絵ではないか。桃山の幽玄な志野に、現代のポップアートがフュージョナイズされたモダン志野である。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10091662107.html 「作家インタビュー」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12452039652.html 《作品情報》(寸法)w5.5-6.0㎝×h5.9㎝、共箱付、新品 《販売期限》2019年5月13日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
MORE -
深見文紀特集③ 粉引ぐい呑み
¥8,640
SOLD OUT
《解説》粉引を始めたきっかけは、深見さんが最近つくりだした赤漫粉引にあるという。粉引のうえに赤絵で漫画を描くという漫画織部の新作である。赤絵が引き立つ生地にしないといけないので、できるだけ白い地を目指した結果、面白い無地粉引(?)ができた。絵がなくてもこれだけで十分面白いのではと作品化したのが本作である。このプラスティックのような質感の白、そこに不自然に現れる大きな鉄粉や石ハゼが特異である。粉引は一般受けするので、それらしい体裁のものが巷にあふれているが、だからこそ、これという作品にめぐり会える機会は少ない。そんななかで深見さんのこの粉引はまさに異形のという形容がふさわしい。白泥や濃い鉄粉など、粉引に備わるとされる特徴が不自然なほど強調されて、まるで本歌の戯画をみているようで。雨漏り風の濃淡やピンクがかった御本もうれしい。右から左にとおり抜けていく凡庸な粉引が氾濫するなかで、どこか引っかかりを感じさせるこの作品は確かな声をもっている。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12368218749.html?frm=theme 「作家インタビュー」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12452039652.html 《作品情報》(寸法)w8.0㎝×h4.4㎝、共箱付、新品 《販売期限》2019年5月13日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
MORE -
鼠志野ぐい呑み 山田洋樹
¥10,800
SOLD OUT
〈解説〉山田さんの作品はその力量の割にあまり世に出ていない。これまで、広島の天満屋で定期的に個展をする他に、名古屋の松坂屋で今年二度目の個展をしたくらい。ただ、天満屋では好評を博して、毎年会場が増えて、今年は福山や米子で個展が開かれるらしい。松坂屋でも再来年の開催が決まったそうで、いざ作品に接すれば、評判は上々のようだ。ようやく世間もこの方の面白さを認め出している。本作は、山田さんにしては珍しい鼠志野。鼠色とも、青とも、赤とも、白ともみえる変幻自在な色彩は、志野のネガ版ともいえるこのやきものの定番の魅力。それ以上に目を引くのがその形式。いっけんモダンみえるが、実は桃山志野の基礎的な諸法則をうまく組み合わせたにすぎない。高台から腰にかけてのたおやかなライン、しっかり張った腰、腰から上に向けてすぼまっていく動き。腰のぐるりに施された面取り。この作品が十分にモダンにみえるのは桃山自体がモダンだったからといっていい。そのことを十分に意識する作家は、それに忠実であることが新しさの追求につながることを知っている。この作の素朴にモダンな風貌は、それを的確に物語っている。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12445634604.html?frm=theme 《作品情報》(寸法)w6.7-7.0㎝×h5.3-5.7㎝、共箱付、新品 《販売期限》2019年4月9日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
MORE -
志野ぐい呑み 鈴木都
¥10,800
SOLD OUT
《解説》都さんから「昨日窯出ししたばかりの志野を送ります」とメールを頂いたのが1週間前。生鮮品と違ってやきものに鮮度はあまり関係ないが、せっかくなら新鮮なうちがよかろうと、手早く準備してアップしたのが上の作品。焼きたてホヤホヤである。「いつもより緋色がよく出たのと、白い土が際立つように焼けたので、こちらを選びました」とは作家の言。オレンジがかった火色は、明るさでも鮮やかさでも群を抜く。土見せの白は、あたかも石膏を固めたかのようで、焼いてこうなったとは思えないほど明るく深い。当然、そのコントラストがこの作品の最大の魅力。いつもよりあっさりめの鉄絵もそれを引き立てていて。スタンダードな志野茶碗にはあまりみかけない胴紐のようなラインは「竹の節」で、桃山の古作にこの手の茶碗があるそうだ。作家は本歌の写真(平凡社陶器全集「志野」所収「竹のふし茶碗」)まで送って下さって、その「野武士的な造形が好み」という。ただ、この作品のほうが、竹の節をさらに強調させたり、指やへらを使ってアクセントをつけたりして、本歌よりよほど野武士的である。だが、他方、これほど麗しい色調を前にすれば、「野武士的」という形容は、逆に行き場を失う。麗しさと荒々しさが共存するアンビバレントな志野である。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12450561164.html?frm=theme 作家HP http://suzukishu.com/ 《作品情報》(寸法)w6.5㎝×h4.7㎝(共に最大値)、共箱付、新品 《販売期限》2019年4月30日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
MORE -
朝鮮唐津ぐい呑み 岡本作礼
¥17,280
SOLD OUT
《解説》鉄釉のうえに藁灰釉が幽玄に浮かび上がる。濃淡のある茶色と柔らかい乳白色の間で、無数の色のコントラストが踊る。立ちぐいを花弁のような造形に発展させていることもさることながら、高台回りの土見せが、この作品のもうひとつの見処。唐津特有のざんぐりとした土肌に仄かに火色がさしているが、本作ではそれが銀化してキラキラ光ってみえる。これは高温によるものですかと尋ねると、「そうです。火前で直接炎が当たって焦げた状態です」と作礼さん。火前は窯のごく限られた場所。作家は意図してこれを表している。信楽や備前でいう炭化のコゲとは違って、土自体が焦げている。だから黒でなくて銀色なのだ。もちろん銀化しない土もある。だが、そこに「炎のエネルギーを感じるから」敢えてこれを狙う。作礼さんの作品は品格のある形式を特徴とするが、それが単なるお上品に流れないのは、その底流にいつもこの土や炎との葛藤があるからだ。穏やかな佇まいの隅々にその痕跡が見え隠れする。美しく、力強い朝鮮唐津である。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12449200757.html?frm=theme 《作品情報》(寸法)w5.8cm×h5.8㎝、共箱付、新品 《販売期限》2019年4月22日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
MORE -
黄瀬戸輪花盃 西岡悠
¥12,960
SOLD OUT
《解説》黄瀬戸の上物を油揚手という。そのしっとりとした肌が油揚げの肌艶を想わせるという理由から。それでも、実際の油揚げは黄瀬戸ほど黄色くないし、黄瀬戸も油揚げほどギトギトしていない。西岡さんの師匠の鈴木五郎氏は「黄瀬戸は砂地から水が滲み出るように」といった。むしろこの喩えのほうがわかりやすい。上の見込みの写真をみれば一目瞭然、弟子の作品は師匠の言葉を実直に肯定している。さらに、黄瀬戸が求める格式への志向にこだわるのがこの作家の真骨頂。胴紐や六角などの定番に満足することなく、その源泉と推定される古代中国の青銅器まで遡って、うわっ面でない黄瀬戸の本質に迫る。本作は、「盤」という青銅器の様式に、桃山期の食器によくある輪花を合わせたもの。口縁と高台に施された網代文が形式の格調をさらに高める。盃のわりにはたっぷりとした容量があって、売り物でなければ、並々とこれに酒を注ぎたいところ。その衝動を抑えるのがたいへんで、写真を撮り終えたら、そそくさと箱に戻して大切にしまってある。 ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/theme-10101711610.html 《作品情報》(寸法)w7.7㎝×h4.5㎝、共箱付、新品 《販売期限》2019年4月2日迄 《お届け》御注文日から5日以内にショップから発送いたします。
MORE -
信楽筆洗ぐい呑み 柳下季器
¥12,960
SOLD OUT
《解説》小堀遠州が信楽焼でつくらせたとされる茶碗「花橘」を祖形としたぐい呑み。もともと信楽に茶碗は少ないが、あっても格式から離れる「草」の形がほとんど。遠州はこれに中国で古くから伝わる「筆洗」という「真」の形式を適用した。国焼に唐渡りの意匠をまとわせるのは遠州の創意の醍醐味。現代の信楽でも焼き締めという性質からか、格のある形式の茶碗をつくる向きは少ない。そんななかで、作家はその遠州の醍醐味をぐい呑みに応用した。本歌を単に真似るというより、これを多少崩して、ぐい呑みとしての使いやすさを工夫する。見込みの降灰と胴まわりの火色が控え目で美しい。古信楽の渋い焼きを彷彿とさせて、その点では、少し焼き過ぎの嫌いがある本歌よりいいかも。古代中国の青銅器に由来する三本足を四角形にデフォルメした高台も見所のひとつ。呑み干す毎にこれを眺めて悦に入れば、深酔いすること間違いなし! ※参考 「ぐい呑み考」https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12242469846.html?frm=theme 作家HP http://www.hideki-yanashita.com/ 《作品情報》(寸法)w8.6㎝×d8.2㎝×h4.0㎝、共箱付、新品 《販売期限》2019年3月25日まで 《お届け》本作品は作家より直接発送されます。箱の制作期間に二週間ほど頂きますので、お届けは約三週間後になります。
MORE