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《解説》
本文で御所丸と古田織部の関わりについて触れたが、この企画で西岡さんに出品をお願いしたとき、頭の片隅に御所丸に関連した作品にならないかと望んでいた。この方の仕事の中心には黄瀬戸があるが、これも含めてその射程は、広く桃山茶陶の織部スタイルにあるからだ。美濃陶のボキャブラリーをもって、その可能性を様々な角度から試しているのがそのやり方で、まるでパズルを解くかのように新しい桃山陶を拓いていく。与えられた条件だけに安住することなく、少しずつ対象をずらしてそれを創作につなげていく様は、それこそ織部のスタイルに通じるところがある。
御所丸はその織部が朝鮮半島に注文して焼かせたという説がある。その歪んだ造形が所謂織部焼のそれに似ていることがその根拠となっているが、それに加えて織部が愛蔵したと伝えられる御所丸茶碗「古田高麗」の存在が、その説の信憑性をさらに高めている。林家晴三氏は、文禄・慶長の役の際、日本勢の拠点となった肥前名護屋城にいた織部が密かに朝鮮半島に渡って焼かせたのではないかというし、「井戸=祭器」説を唱えた申翰均氏でさえ、この独特な造形は特別な才能をもった茶人でなければ思いつかないと述べている。
だが、これらの主張の基となっている根拠は、実証的な裏付けが期待できるどころか、上に述べたようにごくほんやりとした印象や伝承にすぎない。だから、林家氏の推測も、申氏の想像もさほど説得力のないぼんやりした領域にとどまっている。御所丸の歪んだ形が織部のそれに似ているからといって、それが織部の指導の下でつくられたとどうしていえるのか。高麗茶碗には割高台や金海をはじめとして歪んだ茶碗は他にいくらでもあるのに、だとすれば、それらもまた織部の発想から来ていることになるのか。御所丸の形が特異性を帯びてるのは確かだとしても、それを織部の天才によるものとどうしていえるのか。「古田高麗」以外に織部の手になる茶碗で、同じ強度でその特異性を主張するほどのものがあるか。(西岡悠「御所丸総織部」解説に続く)
《参考》ぐい呑み考「王の器~高麗茶碗のフォルマリズム」
https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12864313491.html
《作品情報》幅8.6㎝×奥行7.5㎝×高さ5.2㎝、共箱付、新品
《販売期限》2024年12月25日
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