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《解説》
今回の企画は、今年の春先から構想されて、夏には実現するはずだったが、遅れに遅れてはや年末である。作家の皆さんにはたいへん御迷惑をおかけしたが、山田さんからは、律儀にも、夏前に「まだ大丈夫ですか?」との問い合わせを頂いた。悪びれもせず、全然大丈夫ですよ、とお返ししたが、作家は自分の納得のいく作品を仕上げるまでまだまだ時間が欲しい様子だった。その後何度か延期のやりとりをしたが、その度に「助かります。次の窯でもう一度焼いてみます。」と、かなりの試行錯誤を重ねているようだった。他の皆さんもそうだが、これほど思いを込めて取り組んで下さる姿勢に感謝というより、逆に恐縮するほどである。その分、寄せられる作品に負けないような文を書くべく力が入るものだから、よけい日程がずれ込んだ。
企画をアップするおおよその日取りが決まって、山田さんから送られてきた作品を拝見して、何度も窯を焼いたそのこだわりがそこに結実しているのを実感した。とくにこの作品の表情には、土と釉薬と炎との凄絶な格闘の痕跡がよく見て取れる。この作品もまた黒を狙った鼠志野だが、作家による土、鬼板、長石釉のコントロールと、炎の偶然が醸すその複雑な表情は、露わになりかけた土肌から長石釉の分厚い層まで、鼠志野という様式がもつ表現域をこの小さな器に凝縮している。土に混じった硅石のかけらも、宇宙の暗闇に輝く星屑のようで、表情をさらに豊かにしている。
口縁から雪崩のように見込みに流れる釉溜まりはこの作品の一番の見どころだが、これは通常の志野の半筒形ではけっしてみることはできない。というのも、半筒の胴部は垂直だからこのような流れ方をしないし、厚めにかけると見込みが不均衡になるからそういう掛け方はしない。この表現は、井戸形のなだらかな斜面があってこそ可能で、その意味では、志野と高麗との出会いが生んだ特別な景色といっていい。
《参考》ぐい呑み考「王の器~高麗茶碗のフォルマリズム」
https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12864313491.html
《作品情報》径7.7㎝×高さ4.2㎝、共箱付、新品
《販売期限》2024年12月25日
《お届け》共箱の御用意にお時間を要しますので、発送まで一定の期間を頂戴いたします。御注文時に作家に確認のうえお届け予定日をお知らせいたします。
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