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「高麗のほうへ」展;青瓷刻花紋盃 豊増一雄

¥24,200 税込

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《解説》
 「高麗茶碗」とはいっても、実際に粉青や井戸が焼かれたのは高麗王朝のときではなく、次代の朝鮮時代だった。その意味ではこの呼称は正確性を欠いているといえなくもないが、中国のことをもはや唐ではないのに「唐(から)の国」と呼んだように、これを輸入して重宝した当時の日本人は朝鮮半島をまだ「高麗」と呼んでいた。だから、茶碗の分類にも、当時の呼称に倣っていまだに「唐物」や「高麗物」という呼び方が生きている。

 今回豊増さんが寄せてくださった作品は青磁で、これはむしろ高麗が誇ったやきものでまさに「高麗茶碗」と呼ぶにふさわしいが、間違って伝えられた「高麗茶碗」のカテゴリーからは少しはずれる。高麗青磁は高麗王朝の成立とほぼ同時期の10世紀中頃から始まる。当時の中国の呉越国と交流があったことから、越窯青磁が輸入され、その焼成技術ももたらされ、青磁の国産化が実現した。器形も景色も中国の影響を受けながら次第に洗練され、南宋において中国青磁が絶頂期を迎える12世紀には、高麗青磁もまたその最盛期を迎える。

 しばしば「雨過天晴」にたとえられる南宋青磁の美しい青は「秘色」とも呼ばれ、源氏物語にも登場するほど広く知れ渡っていた。これに対して、高麗青磁はこれを「翡色」と言い換えて形容した。中国では秘色は神秘的な青のことを表したが、高麗では、美しい青緑色を翡翠の色に見立てて表現した。いずれにしろ、12世紀は、中国でも朝鮮半島でも古今東西にわたってもっとも美しい青磁が生まれた時代だった。(豊増一雄「青瓷象嵌」の解説に続く)

《参考》ぐい呑み考「王の器~高麗茶碗のフォルマリズム」
    https://ameblo.jp/guinomikou/entry-12864313491.html

《作品情報》径5.4㎝×高さ5.0㎝、新品、注意:共箱はつきません。
《販売期限》2024年12月25日
《お届け》共箱なしの場合は御注文から1週間以内に発送いたします。共箱を御要望の方には、表示価格に実費2400円を別途御負担頂きます。御用意にお時間を要しますので、発送まで一定の期間を頂戴いたします。

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